手術に関して

【眼瞼下垂とは?】まぶたの手術の種類・治療法・手術の流れを徹底解説!

はじめに

こんなお悩みはありませんか?

「最近、目が開きにくくなってきた」「視界が狭くなった気がする」「まぶたが重くて目が疲れやすい」

それはもしかすると「眼瞼下垂(がんけんかすい)」かもしれません。

眼瞼下垂とは、まぶたが下がって目が開きづらくなり、視界が狭くなる状態です。

見た目だけでなく、頭痛や肩こり、眼精疲労などの不調を引き起こすこともあり、放置せずに治療することが大切です。

1.まぶたの手術、眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂とはなに?

眼瞼下垂とは、まぶた(上瞼)が垂れ下がり、目を開けるのが難しくなる状態です。原因には以下のようなものがあります。

●加齢による筋肉や腱の衰え(腱膜性眼瞼下垂)

●生まれつきのまぶたの筋力低下(先天性眼瞼下垂)

●神経の麻痺や筋疾患によるもの

●コンタクトレンズの長期使用などの外的要因

まぶたが下がることで、視野が狭くなり、日常生活に支障をきたす場合もあります。また、無理に目を開こうとして額の筋肉を使うため、頭痛や肩こり、疲労感が生じることもあります。

 

2. 手術の種類と概要

眼瞼下垂は、内服薬では改善が難しく、原則的に手術による治療が選択されます。症状に応じた以下のような手術があります。

●挙筋前転術(きょきんぜんてんじゅつ)

まぶたを持ち上げる「眼瞼挙筋」とその腱膜が伸びて働かなくなっている場合に行います。まぶたを切開し、伸びた腱膜を短縮・再固定します。加齢による眼瞼下垂で最も一般的な術式です。

●前頭筋吊り上げ術(ぜんとうきんつりあげじゅつ)

眼瞼挙筋などが機能しない重度の眼瞼下垂の場合、代わりに額の筋肉(前頭筋)を使ってまぶたを引き上げる術式です。先天性や神経障害による眼瞼下垂に適応されます。

● 余剰皮膚切除術(よじょうひふせつじょじゅつ)

まぶたの皮膚が加齢などでたるんで視野が遮られている場合に行います。まぶたを切開して余剰な皮膚を除去し、視界を改善します。必要に応じて眼輪筋も処理されます。

3.まぶたの手術、眼瞼下垂の手術の流れ

当院では日帰り手術を実施しています。大まかな流れは次のとおりです。

1.術前検査・診察
目の状態を詳しく確認し、手術の適応を判断します。

2.手術当日
局所麻酔を行い、手術を実施します。

3.手術翌日
受診し、経過を確認します。

4.まぶたの手術、眼瞼下垂の手術の費用

保険適用の事例

保険適用にて眼瞼下垂の治療が受けられるかどうかは、眼瞼下垂の症状によってどの程度視界が狭まり、日常生活に支障があるかという点で判断されます。

一つの基準としては、目を開いたときに瞳(瞳孔部分)まで瞼(まぶた)が下がってしまっている状態とされますが、実際にはそこまでの状態でなくとも医師の診断によって日常生活に支障がでると判断されれば保険適用になります。

手術費用の目安

片目

手術内容 1割負担 2割負担 3割負担
眼瞼下垂(挙筋) 8,700円 17,500円 26,000円
眼瞼下垂(その他) 7,600円 15,200円 23,000円

両目

手術内容 1割負担 2割負担 3割負担
眼瞼下垂(挙筋) 17,500円 18,000円 52,300円
眼瞼下垂(その他) 15,200円 18,000円 45,500円

上記は健康保険適用時の目安です。

高額療養費制度

医療機関、薬局の窓口で支払う医療費が月(1日〜末日まで)の上限額(自己負担額)を超えた場合に、超えた分は健康保険から補填される制度です。自己負担額については、年齢や所得によって異なります。

外来診療の場合

・69歳以下の方(現役並みの所得の70歳以上の方) 上限は様々です。

・それ以外の70歳以上の方 8,000~18,000円 また年間上限144,000円

※70歳以上で負担割合が1割・2割の方は限度額認定証の提示がなくても18,000円以上はかかりません。

詳細は厚生労働省のホームページにある「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をご参照下さい。(リンク先

5.まぶたの手術、眼瞼下垂の手術の術後の経過と注意点

維持期間

眼瞼下垂の再発は少ないですが、老化による再発の可能性はあります。5~10年程度で再手術が必要になる場合もあります。

回復期間

・腫れ・内出血:術後2週間程度かかる場合があります。

・傷跡の落ち着き:3ヵ月程度で落ち着きます。

術後の注意点

・術後2日間は患部をよく冷やしてください。

・激しい運動・入浴は避けてください。

・洗顔は当日は控えてください。

6.FAQ(よくある質問)

Q. 手術の目安は?
A. 黒目の中心からまぶたの縁までの距離が3.5mm以下であれば、眼瞼下垂と診断されることが多いです。視野に支障が出ているかどうかが判断基準です。

Q. 他院で手術をしたが仕上がりが気になる。相談できるか?
A. 可能です。左右差や改善不足がある場合、再診・再手術のご相談を承ります。

Q. 手術後に眩しさを感じるようになった
A.
まぶたが開きやすくなることで、光に敏感になることがあります。サングラスの使用や保湿対策で改善する場合が多いです。

7.まとめ

眼瞼下垂は、年齢とともに多くの方が経験する身近な症状であり、適切な手術により視野や日常生活の質を改善することができます。

まぶたが重くて見えづらい、目が疲れやすいと感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。