眼科レーザー治療とは?対応疾患・流れ・費用・注意点まで徹底解説

はじめに

「レーザーを目に当てるなんて怖い」と思う方も少なくありません。しかし、眼科領域でのレーザー治療は50年以上の歴史があり、視力を守るうえで欠かせない重要な治療法として確立されています。

糖尿病網膜症、緑内障、網膜裂孔、後発白内障など、様々な眼疾患に対応でき、進行を防ぎ、失明リスクを低下させることが可能です。

 

1.レーザー治療・手術とは?

レーザー治療とは、高エネルギーの光(レーザー光)を病変部に正確に照射し、組織の変性・凝固・切開などを行う治療法です。手術と異なり、切らずに短時間で処置できるため、患者の身体的負担が少ないのが特徴です。

2.検査の流れ

検査は、問診・視力検査・細隙灯顕微鏡検査・眼底検査を行っていきます。

視力検査:どの程度の視力が出ているかを確認します。

細隙灯顕微鏡検査:網膜や水晶体などの目の内部の状態を詳細に確認します。

眼底検査:眼底カメラなどを使用して、目の奥の網膜や血管の状態をチェックします。

 

3.治療に使われるレーザーの種類

網膜光凝固レーザー

対応疾患:糖尿病網膜症、網膜裂孔、網膜静脈閉塞症

主な効果:網膜の新生血管抑制、網膜固定

 

YAGレーザー

対応疾患:後発白内障

主な効果:後嚢を切開し視界をクリアに

 

SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)

対応疾患:緑内障

主な効果:線維柱帯に作用し、房水の流出促進・眼圧下降

 

4.レーザー治療・手術の流れ

術前検査・診察

眼の状態や疾患の進行度を詳しく診断します。

 

治療当日

点眼麻酔を使用し、治療は数分~10分程度で終了します。通院・日帰りでの対応が一般的です。

 

術後の観察

翌日・1週間後・1ヵ月後を目安に経過観察を行います。

 

5.レーザー治療の経過と注意点

・治療直後は軽いぼやけや異物感が出ることがあります。

SLTでは、改善まで1〜2週間かかる場合があります。

YAGレーザー後は一時的に飛蚊症が増える場合もありますが、通常は自然に改善します。

 

6.レーザー治療の費用と保険適用

レーザー治療は健康保険の適用ですが、治療の種類により金額がさまざまです。あくまで目安とお考えください。

 

手術費用の目安(片目)

手術内容 1割負担 2割負担 3割負担
網膜光凝固術(通常) 約10,000円 約18,000円 約30,000円
網膜光凝固術(特殊) 約16,000円 約18,000円 約47,880円
YAGレーザー 約1,380円 約2,760円 約4,140円
SLT 約9,660円 約18,000円 約28,980円

※術式によって費用は変わります

※上記は健康保険適用時の目安です

 

高額療養費制度

医療機関、薬局の窓口で支払う医療費が月(1日〜末日まで)の上限額(自己負担額)を超えた場合に、超えた分は健康保険から補填される制度です。自己負担額については、年齢や所得によって異なります。

外来診療の場合

・69歳以下の方(現役並みの所得の70歳以上の方) 上限は様々です。

・それ以外の70歳以上の方 8,000~18,000円 また年間上限144,000円

※70歳以上で負担割合が1割・2割の方は限度額認定証の提示がなくても18,000円以上はかかりません。

詳細は厚生労働省のホームページにある「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をご参照下さい。

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7.レーザー治療のQ&A

Q. 定期通院は必要ですか?
A. 治療内容によって異なりますが、数回の経過観察を行うケースが多いです。緑内障など慢性疾患では継続的な診療が必要です

Q. 治療後に「飛蚊症」が増えると聞きましたが?
A. YAGレーザー後、一時的に硝子体内の濁りが視野に浮かぶことがあります。通常は自然に消失しますが、残る場合もあります。

 

8.まとめ

レーザー治療は、身体への負担が少ない非常に有効な眼科治療法です。早期の対応で視力低下を予防し、疾患の進行を防ぐことができます。

当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせた治療プランを提案し、安心して治療を受けていただけるよう全力でサポートいたします

レーザー治療に関する疑問や不安がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。