#CASE 03目が赤い(充血)

01こんな症状ありませんか?

痛みなどはないのに、目だけが赤い状態になっていることや片目が充血していたりすることがあります。赤い状態以外の自覚症状がなくても、なにかしらの疾患になっている可能性があります。
まずは目が赤くなることについて見ていきましょう。大きく分けて、出血と充血(血管の拡張)の2つに分けられます。具体的には以下のような状態ですが、思い当たることはありませんか?

白目が真っ赤になっている

痛みやかゆみはないのに、何故か目が充血している

片目だけ充血している

充血に加えて、目やにも増えた

まぶたが開けづらく、ものが見えにくい

02目が赤いのは何が原因?
よくある症状とその原因一覧

目が赤くなる症状はさまざまな疾患があげられます。
それぞれの症状と原因を紹介していきます。
どのような症状でも、繰り返す場合、痛みが伴う場合、症状が進行していると感じる場合は早めに眼科を受診しましょう。

結膜下出血

結膜(白目の部分)の血管が破れて出血し、白目が赤くなる症状です。白目が真っ赤になるため、見た目ですぐにわかりますが、多くの場合は痛みや視力低下などの自覚症状がありませんので、鏡を見て気づく場合やほかのひとから言われて気づく場合が多いです。

【 原因 】くしゃみ、咳、高血圧、糖尿病、外傷、月経、過度の飲酒

【 症状 】白目が赤い、痛みやかゆみ等無し

【 治療方法 】多くの場合が自然治癒

アレルギー性結膜炎

花粉やハウスダストなどのアレルゲンが目に触れることで、結膜に炎症が起こることです。原因は個人差があり、本当にさまざまです。花粉などであれば、季節性のものになりますので、定期的にかかる可能性があります。また、結膜炎といっても、アレルギー性のためひとにうつることはありません。

【 原因 】花粉、ハウスダスト、犬や猫の毛(動物)、化粧品等(個人のアレルギー物質)

【 症状 】かゆみ、充血、目がしょぼしょぼする、涙が出る、異物感、まぶたの腫れ、目やに

【 治療方法 】点眼薬、内服薬、アレルゲンの回避

ぶどう膜炎

ぶどう膜炎の充血は他のものとは異なる特徴があります。多くの場合、白目全体が均一に赤くなります。ぶどう膜炎の場合は虹彩や毛様体といった特定の場所に炎症が起こるため、充血している場所や色が違ってきます。充血だけでなく、痛みを伴うことがあります。場合によっては光を眩しく感じる、まぶしさに耐えられないなどの症状も見られます。

【 原因 】感染、自己免疫疾患、外傷、原因不明

【 症状 】視力低下、飛蚊症、眼痛、併発する病気による全身症状

【 治療方法 】ステロイド薬、免疫抑制剤、抗菌薬等

ドライアイ

涙の量が少なくなったり、涙の質が変化したりして、涙が均等に行き渡らなくなる病気です。目の表面に傷を伴うことがあり、ドライアイは涙の病気ともいわれ、涙が不安定になることで起こります。

【 原因 】涙の分泌量の現象、涙の質の低下、エアコンの使用、乾燥した空気、パソコン・スマートフォンの使用

【 症状 】目の乾き、異物感、疲れ目、充血、かゆみ、視力低下、痛み

【 治療方法 】点眼薬、温罨法、生活習慣の改善

急性閉塞隅角緑内障

眼圧が急激に上昇し、激しい痛みや視力低下などを伴う目の緊急事態です。緑内障の症状のうち、急激に隅角が塞がることで房水の排出がうまくいかず、急激に眼圧が上昇することで、視神経が圧迫され、最悪の場合失明にいたります。一刻を争う、緊急対応が必要な病気です。

【 原因 】加齢、眼球の構造、瞳孔の拡大

【 症状 】激しい眼痛、視力低下、虹視、充血、頭痛、吐き気

【 治療方法 】眼圧低下薬、レーザー治療、手術

角膜炎

目の黒目部分である角膜で炎症が起きた状態のことをいいます。角膜は、カメラのレンズのような働きをして、外界をはっきりと見ることができるようにしています。視力に影響が出たり、痛みを感じたりすることがあります。

【 原因 】感染、外傷、アレルギー、自己免疫疾患、ドライアイ

【 症状 】痛み、充血、異物感、涙がでる、視力低下、目やに

【 治療方法 】点眼薬、内服薬、手術

翼状片

結膜(白目)が角膜(黒目)へと入り込んでしまう病気です。まるで鳥の翼のように見えることから、この名前がついています。はっきりとした原因はわかっていません。小さな場合は影響が少なく、放置しておくと問題を引き起こす可能性のある病気です。

【 原因 】紫外線、乾燥した風、ほこりや砂などの刺激物

【 症状 】充血、異物感、視力低下、乱視

【 治療方法 】点眼薬、手術
小さな場合は経過観察を行う場合もあります。

03出血・充血している部分から
考えられる症状と原因

白目の周辺部が網目状に赤くなっている(出血)

結膜下出血

目の端や、白目周辺部が網目状に鮮やかな赤色になっている場合「結膜下出血」が考えられます。主な症状は目やに、流涙を伴ったりすることもあります。

原因としては以下が挙げられます。
・目のケガ、物が目に当たった
・ドライアイやアレルギー性結膜炎などによるかゆみのため、目を強くこすってしまった
・重いものを持ったり、ふんばったりした
・ソフトコンタクトレンズ脱着時に結膜を傷つけてしまった
・高血圧や糖尿病、腎臓病、白血病などの全身性の病気がある

白目の周辺部が網目状に赤くなっている(充血)

結膜充血

結膜充血とは、白目とまぶたの裏側を覆っている結膜の血管が拡張して炎症を起こし、白目が赤っぽく見える状態です。

原因としては以下が挙げられます。
・花粉やハウスダストなどのアレルギーによる目の炎症
・細菌・真菌(カビ)・ウイルスなどによる目の炎症
・ドライアイ(目のかわき)やコンタクトの長時間使用などによる目の疲れ

黒目周辺部が網目状に赤くなっている

毛様充血

目の黒目周辺が網目状に赤くなるなら「毛様充血」が考えられます。特徴は黒目から離れるほど赤色は薄れ、まぶたの裏側まで充血しないことです。涙は出ても目やには出ないことが多く、場合によっては強い痛みを伴うこともあります。

原因としては以下が挙げられます。
・角膜炎:角膜に傷が付き、そこに細菌や真菌(カビ)が感染して起きます
・ぶどう膜炎:虹彩・毛様体・脈絡膜の総称をぶどう膜といい、ぶどう膜の炎症が原因で起きます
・強膜炎:リウマチなどの全身性疾患が原因で起きます

04早めに眼科を受診したほうが良い症状
(結膜充血・毛様充血)

結膜充血の場合

結膜充血の症状は白目の周辺や目の端が網目状に赤くなることです。まぶたの裏側も赤くなったり、場合によっては目やに、流涙を伴ったりすることもあります。また、コンタクトレンズを使用している方で充血を繰り返している方は角膜が傷ついている可能性があります。
目の充血だけでなく、目のかゆみ・目やにが出ていたら結膜炎の疑いがあるので、眼科を受診することをおすすめします。

毛様充血の場合

毛様充血の症状は、角膜の周りに青紫色を帯びた充血が現れる症状です。毛様充血の原因としては角膜障害や強膜炎、ぶどう膜炎、急性緑内障発作が考えられます。
目に強い痛みがある場合は、角膜に傷がつき、炎症を起こしているだけではなく、重篤な疾患が隠れていることもあります。悪化すると失明する可能性もあるため、早めに眼科を受診しましょう。

05今日からできる目の充血を
予防する予防法

予防法① 疲れ目で目が充血したときにはまず目を休める

目が疲れたと感じたときは、短い時間でも目をつぶるなどまず目を休めることが大切です。
パソコンやスマホの画面を長時間眺めている場合は、1時間ごとに約15分は休憩を取り、ディスプレイから離れて目を休めるようにする。それも難しい場合はアメリカ眼科学会が推奨する20分に1回、20秒間、20フィート(約6m)離れたところを見ることを実践してみましょう。

予防法② ドライアイ(目のかわき)で目が充血したときは、意識してまばたきをする

まばたきは涙の分泌を促進し目の乾きを予防してくれます。意識的にまばたきの回数を多くすることで涙の分泌を促進することができます。
スマートフォンやパソコンを長時間使用すると、まばたきの回数が減少しがちになります。エアコンによる風や空気の乾燥などで目がかわき、充血してしまうこともあるため、意識的にまばたきするようにしてみましょう。

予防法③ 目が充血したときは目を温めるより冷やす

温めは血行の流れを促進させます。結膜炎等の症状や寝不足が原因で目が充血しているときは、目を温めると充血を促進させてしまうため、逆効果です。正しくは冷やすことで炎症を抑えることができます。炎症が起こっているときや、熱を帯びているときは冷やすと覚えておいてください。

予防法④ 規則正しい生活を送る

生活が不規則になると免疫力抵抗力が落ち、ウイルスや細菌などに感染しやすくなります。しっかりとした睡眠、栄養豊富でバランスの取れた食事、定期的な運動を行い、規則正しい生活をおくることが重要です。

06すぐに治したい! 目の充血への対処法

対処法① 目の乾燥を防ぐ

加湿器を活用しましょう。室内が乾燥しているだけで目の充血を起こしやすくなります。湿度が下がりすぎないようにしてください。
また、エアコンを使用する時は、風が直接顔に当たらないように風向きを調節するようにしましょう。

対処法② コンタクトレンズの過剰使用を避ける

コンタクトレンズを使用している方で症状がある場合は、一度使用を中止し、眼鏡に切り替えてみてください。
もし症状が治まったら、コンタクトレンズの使用法や管理法に問題がある可能性があります。また、レンズそのものが合っていない可能性もあるため見直しをおこないましょう。詳しくは眼科にご相談ください。

対処法③ 十分に睡眠時間を確保する

目の充血がひどい時は早めの睡眠を心がけましょう。
目が充血したり赤くなったりする原因は様々なケースが考えられますが、寝不足による場合は、十分に睡眠を取ることで症状は改善していきます。

07目の充血が心配な時はすぐに眼科へ

同じ「目の充血」でも、原因により緊急度は大きく変わります。
目に違和感やいつもと違う様子を感じたら速やかに病院で検診を受けることをお勧めします。
当クリニックは結膜炎、白内障、緑内障、糖尿病の眼の合併症、麦粒腫・霰粒腫、網膜疾患などの治療をしており、手術においても白内障手術、硝子体手術、まぶた手術、硝子体内注射、レーザー治療を行っています。
医院の開院後は地域に根ざした病院として、丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。眼に関する一般的な相談から手術などの専門的な相談まで、幅広く対応できます。
地域の皆様のかかりつけ医としてぜひ当院にご相談ください。