#CASE 05以前よりまぶしさを強く感じる

01こんな症状ありませんか?

日陰から日光が当たる場所に出たりするとまぶしさを感じるのは生理的な反応です。ただし、強い光ではないのに目が開けられないほどまぶしく感じる、周囲の人は特にまぶしく感じていない明るさでもまぶしく感じるなどがあった場合、病気などによる異常が起こっている可能性があります。
まぶしさを強く感じる疾患には、深刻な視力低下に繋がるものもあり、原因を早急に確かめることが重要です。以下の症状に少しでも該当すると感じられた方は眼科に相談しましょう。

太陽の日差しや夜の照明を以前よりもまぶしく感じる

天気の良い日に戸外に出ると目がくらむ

強い光ではないにもかかわらず異様にまぶしく感じる

まぶしさで視界がぼやける

強い光を見ると涙が出る

02そのまぶしさは疾患のサインかも?
眼科の診察が必要なまぶしさについて

医学の用語で「まぶしさを感じる状態」を「羞明(しゅうめい)」と呼びます。
羞明の症状が示す範囲は広く、「以前よりまぶしさを強く感じる」という状態から「目が開けられないほど、まぶしく感じる」という状態まで該当します。他の症状でも「光の周りに輪っかが見えるようになる」「屋外などで光を強く感じて、モノを直視できず、明確に見ることができない」といったケースも羞明に含まれてきます。
まぶしさの感じ方に以前との違いや違和感を感じたら重大な疾患のサインの可能性もあります。場合によっては痛みを感じることもあるので、さまざまな視点から原因を探り、該当する疾患を探していきます。痛みがないからと安心せずに、眼科で医師の適切な検査をすることが望ましいです。悩んだり、違和感を感じたら眼科に行きましょう。

03まぶしさを強く感じるのは何故?

どんな光に対してまぶしさを感じたり、光の強さや涙が出る等の反応もひとそれぞれですが、羞明の原因は大きくわけて3つに分類できます。

目に入ってくる光の量の調整ができていない

猫の瞳を想像するとイメージが付きやすいと思いますが、目は瞳孔を開くことでたくさんの光を取り込み、縮めることで入ってくる光の量を絞っています。つまり、日中は瞳孔を縮めて光の入ってくる量を調整し、夜は瞳孔を開くことで光を集めています。
光の量をうまく調整できない理由は、瞳孔の調整がうまくできていないためです。調整が効かないために必要以上の多くの光が入り込んでいる可能性があります。
この瞳孔を調整しているのが、虹彩(こうさい)と呼ばれる器官で、何らかの理由で瞳孔を縮めることができなくなっていることが考えられます。結果、必要以上の光が入り込み、目が痛いほどのまぶしさを感じることになります。

目に入ってきた光が散乱している

光が散乱してしまう原因は、目に入ってきた光が水晶体や網膜に乱反射することです。本来、網膜の表面は涙が均等に覆っておりなめらかな状態です。そのため、入ってきた光が目の奥に真っ直ぐ届きます。
ですが、ドライアイなどで涙の量が減ったり、涙の質の低下の影響で不安定になり、網膜表面を涙が均等に覆えない状況がおこります。あるいは網膜に傷が付いていたりすることで、表面がでこぼこになることもあります。
結果として、光がまっすぐ進まず、乱反射してしまい、まぶしく感じることが考えられます。

網膜や視神経に何らかのトラブルがある

網膜や視神経に何らかのトラブルがある場合に、通常の光の量でもまぶしさを感じることがあります。網膜や水晶体に異常がない場合は、神経系の疾患の可能性もあります。
まぶしさと同時に目の奥の痛みや、かすみ、充血などといったまぶしさ以外の症状がある場合は、何らかの目の病気であることが考えられます。違和感や痛みが続く場合は、眼科の受診をおすすめします。

04まぶしさを強く感じてしまう症状の
病気は?

ここまでで「まぶしい」という症状や原因等がわかったと思います。
ここでは具体的にまぶしさを感じる病気を紹介します。

白内障

レンズの役割を果たす透明な水晶体に濁りが生じ、目のかすみや、まぶしさを強く感じます。
加齢によって発症することが多く、進行すると失明の可能性もある病気です。濁った水晶体を人工の眼内レンズに交換することでクリアな世界を取り戻せます。
日本での年間手術件数は150万件となっており、すべての外科手術の中で最も多くの手術が行われている病気です。

角膜炎

角膜炎は角膜(黒目)に炎症が生じることで起こります。症状は光をまぶしく感じたり、目の痛みを感じたりします。進行状況によっては視力の低下も起こります。
発症の原因は角膜についた傷から細菌やカビの一種である真菌が入り込み発症します。
治療期間が1年を超えることもよくあります。通院等を怠ると、長引く傾向にあるため、早めに受診してしっかりと治すことが大事です。

結膜炎

まぶたの裏や白目を薄く覆う結膜に炎症が起こることで、白目の充血や、涙が増えたり、光をまぶしく感じたりするなどの症状を起こします。種類がアレルギー性、ウイルス性、細菌性などに分かれており、それぞれの原因に適した治療を行う必要があります。種類によってはうつる、うつらないがあり、うつるものの中でも感染力が強い疾患があり、集団感染の原因になることがあるため注意が必要です。

ぶどう膜炎

瞳孔を調整する機能をもつ「虹彩」や「毛様体」、「脈絡膜」この3つをぶどう膜と呼び、ぶどう膜に生じる炎症の総称をぶどう膜炎と呼びます。
炎症が起きている部位や範囲によって現れる症状は異なりますが、充血や視力の低下、視野の歪み、光をまぶしく感じる、飛蚊症、歪んで見える変視症などの症状を引き起こします。症状や状態によって違いますが、数週間から数年単位での治療期間が必要となります。

網膜色素変性症

目に入ってきた光が像を結ぶ網膜に生じる遺伝性疾患で、視力の低下や視野狭窄、光をまぶしく感じる、暗いと見えにくくなるなどの症状を引き起こします。
初期症状では、夜や薄暗い屋内など見えにくくなる夜盲(やもう)が現れますが、病状が進行する中で、辛いほどのまぶしさを感じることがあります。個人差がありますが遮光眼鏡が必要となるほどです。網膜色素変性症は進行性の病気で、進行スピードは緩やかなため数年から数十年かけて進行していきます。

ドライアイ

ドライアイによって目が乾燥し、黒目の表面にある角膜が傷ついて表面が変形し、光の乱反射が起こることでまぶしさを強く感じることがあります。主な原因はエアコンの使用による乾燥、直接あたる風、パソコンやスマートフォンを使用することによるまばたきの減少、コンタクトレンズの装着があげられます。日本での患者数が約2000万人と言われるほど、多くの方が悩んでいます。また、完治が難しい病気と言われています。

自律神経失調症

自律神経のバランスが崩れることによって刺激に対して鋭敏になり、光の刺激をより強く受けることでまぶしさを強く感じることがあります。筋肉への血流が低下して、筋肉が正常に収縮できず、瞳孔を狭めることができなくなって起こっているのではといわれています。
不規則な生活習慣やストレスなどによっておこり、身体的・精神的な不調を引き起こします。

05今日から出来るまぶしさの症状を
抑える予防策

以前よりも光をまぶしく感じる、つらい、涙がでるなど、症状はさまざまだと思います。病気以外にも生活習慣に原因が隠れているかもしれません。原因を探り、一緒に解決していきましょう。

コンタクトレンズの適切な使用

コンタクトレンズを長年使用することで慣れが生じ、ケアが適切ではなくなってしまっている場合があります。不適切な使用を継続することで様々な疾患に繋がり、まぶしさを感じやすくなるなどの症状を起こすことがあります。
コンタクトレンズを使用する際には、装用時間や使用期限や使用方法を守り、正しい洗浄方法でしっかりケアしましょう。一度眼科で相談して、正しい使用方法やケア方法を学びましょう。少しでも違和感やなにかしら症状があれば、眼が傷ついている可能性もあります。今は何も症状がなくてもコンタクトを使用していると、ドライアイになりやすいため一度受診をしてみましょう。

十分な加湿

冷暖房によって室内が乾燥し湿度が低い状態となると目が乾きやすくなり、それが原因でまぶしさを過敏に感じることがあります。ドライアイの要因にもなります。加湿器を使用するなど、室内の湿度を適切にコントロールしてください。
また、顔に直接エアコンの風が当たらないように調整することも重要です。特にコンタクトレンズを使っている場合、目が乾きやすくなるため注意が必要です。日常的に目の乾きを感じていれば、眼科で検査をしてみてください。

パソコン・スマートフォン・タブレットの使用時間短縮

パソコン・スマートフォン・タブレットのディスプレイを長時間見ていると、無意識のうちにまばたきが減少し目が乾燥しやすくなります。眼精疲労やVDT症候群(IT眼症・テクノストレス眼症)まで症状を進行させてしまった場合、目以外の全身に症状が現れます。
こまめな休憩を心がけ、目を休ませながら使用することが重要です。
目の周囲を温めて血流を改善させることや、ディスプレイの位置、角度、照明の映り込み、目との距離や高さなどの利用環境を改善することも症状の改善につながります。
もし、肩こりや眼の疲れを感じていれば、眼科を一度受診しましょう。

紫外線によるダメージを軽減させる

紫外線のダメージを受けることで光を眩しく感じるようになる場合もあるため、長時間外出する際やスポーツを屋外で楽しむ場合はサングラスをするなどして目を紫外線から守りましょう。日焼けは皮膚だけなく、眼球も日焼けします。紫外線に長時間さらされたあとに、痛み、異物感等が少しでもあれば、受診をおすすめします。

適切な睡眠と休息

極端に睡眠や休息が不足している状態だと、まぶしさを強く感じやすい傾向があります。
ストレスを軽減するためにも適切な睡眠時間の確保や休息を確保してください。適切な睡眠や休息をとっても眼の疲れ・疲労感が残っている場合は、他の原因や眼の疾患が隠れている場合もありますので、眼科に相談してください。

06病院を受診したほうが良い目安は

突然まぶしさを強く感じるようになった場合や、弱い光でもまぶしく感じる状態が続き、痛みなど他にも症状がある場合は、眼科を受診してください。
受診の際に、まぶしさを強く感じる症状の起こり始めた時期やどのような時に強く感じるかの内容を伝えると診断がつきやすいため、事前に整理していただくと良いでしょう。

07眼科の検査でわかること

眼科ではさまざまな機器、問診や検査をとおして、目に関することを知ることができます。眼の見え方だけでなく、表面の状態から、眼底の状態、眼圧などの状態まで知ることができます。
目の病気で怖いのは眩しさを含め、視力や視界に関するものです。視力や視界に関しては、失ってしまうと取り返すことができないものとなっています。何よりも現状を定期的に知ることで、通常時との変化に気づくことができるようになりますので、一度受診してみましょう。
ここからは当クリニックの紹介をします。診療では白内障、結膜炎、麦粒腫・霰粒腫、緑内障、糖尿病の眼の合併症、網膜疾患などの治療をしており、手術においても白内障手術、硝子体手術、まぶた手術、硝子体内注射、レーザー治療を行っています。
医院の開院後は地域に根ざした病院として、丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。眼に関する一般的な相談から手術などの専門的な相談まで、幅広く対応できます。
地域の皆様のかかりつけ医としてぜひ当院にご相談ください。