視野が狭くなった
視界が部分的に欠ける
視野の一部が黒く見える
片目だと見えない部分がある
眼圧が高いと診断された
視野が狭くなった
視界が部分的に欠ける
視野の一部が黒く見える
片目だと見えない部分がある
眼圧が高いと診断された
緑内障は自分では気づかないうちに、時間をかけて視野が欠けていきます。
初期の段階では、片眼の視野の一部にかすみがかかっているように見える部分やゆがんで見える部分が生じます。
人間は両目でものを見るため、片眼の視野で欠けている部分があったとしても、両目で見ることで視野が補完され欠損に気づかないことがほとんどです。
片眼で見た際に、視野にかすみやゆがみを感じたら、早めに一度検診を受けていただくことが非常に重要です。
緑内障は日本国内において中途失明原因の1位となっており、放置していると徐々に視野が狭まり、失明に至ることがある病気です。
点眼による治療や外科手術による治療方法があるため、失明に至る方は多くありませんが、早期や中期ではほとんど自覚症状がないために、治療をやめてしまう方が多くいらっしゃいます。
定期的な検診や眼科を受診した際に併せて検査を行っていただき、適切な治療を継続して行うことで、生涯視野と視力を保つことが可能です。
日本にはおよそ400万人の緑内障患者がいると言われています。
また、失明された方は2007年に18万8千人いるとされ、その1/4が緑内障であるといわれているため、およそ4万人程度の方が緑内障が原因で失明していることになります。
失明している方4万人/患者数400万人となりますので、およそ1%程度の割合で失明に至っていることが想定されます。
緑内障の原因について、はっきりとした原因はわかっていないのが現状です。
眼圧が高い状態が続くことで目の奥に続く視神経が障害され、緑内障になりやすいとされています。
その他にも、緑内障になる原因は断定的ではなく、遺伝、強度近視、眼圧、血流、生活習慣、服薬による副作用など様々な要因が絡むことで、視神経に影響が及び、緑内障を発症しているとされています。
緑内障の初期段階では視野の一部が欠けていきます。
片方の目に症状があらわれていたとしても、もう片方の目が正常な場合には視野を補完してしまうため、初期症状はほとんどありません。
この段階では視力が低下しているわけではないため、視力検査でも見つけることができません。
片眼で見た際に「見え方に違和感がある」「目がかすむ」といった視野障害を自覚することがあれば速やかに眼科を受診し、眼圧検査や眼底検査を受けていただくのが望ましいです。
緑内障の症状が進行すると、視野の欠けている部分が少しずつ増えていきます。
中期段階まで進行すると、視力低下やぼんやり感、夜になると見えにくくなるなどの症状が生じます。
この段階まで悪化すると自覚症状が強くなりますが、自覚症状が出てきても治療で元の視野に戻すことは困難です。
急激に眼圧が上昇した場合(急性緑内障発作)は、眼痛、充血、目のかすみ、頭痛、吐き気といった症状を自覚することがあります。その場合は急速に視野欠損が悪化していくため、早期の治療が必要です。
後期段階になると視神経の50%ほどが傷ついていることが多いため、視野の中心付近にも見えない部分が出てきます。
見え方は、すりガラス越しの窓から外を見ているような状態の見え方になります。
文字が欠けて見えるようになったり、テレビ画面の一部が見えなくなったり、頻繁に人とぶつかったりするなど、日常生活にも支障が出てくるようになることで、この頃になると何かおかしいと感じ始め、眼科で検査を受ける方が増えてきます。
しかし、後期の段階になっても放置したため、失明に至ってしまうケースもあります。
眼圧の上昇によって圧迫・障害されてしまった眼の奥の視神経を修復するのは困難です。
しかし、眼圧を抑制することは可能なため、早めの段階で眼圧の上昇を抑制する治療を行うことで、症状の進行を防ぐことが可能となり、視力障害が軽い状況を維持することが可能です。
早期発見と早期治療の開始で重い視力障害や失明を防げる可能性が高いです。
症状の程度と手術の内容によって費用は異なりますが、健康保険が適用されることで3割負担となるケースだと、片目につきおよそ3万円〜12万円程度が相場となっています。
緑内障は検査、診察・治療いずれも、原則「保険適用可」となります。
【 1 】手術前の検査(1時間半程度)手術に必要な精密検査を実施することになります。
加えて、全身の状態を確認するため採血検査も行います。
手術前後の生活上の注意点のご説明を実施し、問診をいたします。
【 2 】点眼麻酔目薬の形状の麻酔(点眼麻酔)を行います。手術時間の長さによっては注射の麻酔を行う場合もあります。
【 3 】切開房水(目の中に存在する透明な液体)の流れが悪い部分を切開します。痛みは感じません。
【 4 】房水の流れを良くする眼圧を下げるために、切除・切開によって房水の流れを良くしたり、新たに房水の流れる通路を作ったりします。
【 5 】緑内障手術終了手術終了後の入院は不要です。手術後15分〜30分程度で帰宅が可能です。
手術が終わった翌日から眼帯なしで普段と同様の生活が可能です。
洗顔、洗髪、化粧については医師の許可のもと7日〜10日目以降から実施が可能です。
自動車の運転は目が見えにくい場合があるため医師の相談のもと行っていただくのが望ましいです。
【 6 】緑内障手術後の診察
【 低眼圧 】眼圧を下げる手術の実施後は、眼圧が下がり過ぎてしまうことがあります。
房水(目の中に存在する透明な液体)が結膜の下に流れすぎてしまったり、結膜より外に流れ出てしまうことなどが原因で生じます。
眼圧の低い低眼圧の状態が続くと眼の張りが失われて見えづらい状態となります。
対処法として、圧迫眼帯を行うなど房水が流れすぎてしまわないようにしたり、縫い直しを行うことがあります。
【 眼圧上昇 】手術によって作った創が閉じかけることで眼圧が上昇することがあります。
医師が眼を押してマッサージを行ったり、縫った糸を切るレーザーを行ったりして眼圧の調整を行います。
手術時には低眼圧にならないように処置を行うため、手術後の調整も手術の一部であると考えていただくと良いでしょう。
【 感染症 】手術後の感染症には特に注意が必要です。
細菌などの感染を引き起こす場合、適切な治療を行わずに放置してしまうと、眼全体に細菌が入り、失明する危険もありますので、くれぐれもご注意ください。
術後の日常生活においては下記の点にご注意ください。
・手は石鹸でよく洗うこと
・まぶたをこすらないこと
・外出時はメガネ・サングラス等で眼を保護すること
・家族とは別に自分専用のタオルで顔や手を拭くこと
・タオルは使用のたびに洗濯し、常に乾いた清潔なものを使用すること
・水泳等のスポーツは医師と相談してください。
点眼薬での治療は、点眼薬を使用し続ける必要があります。
医療費については、20年間点眼を続けた場合において、片眼につきおよそ60万円程度となります。年間になおすとおよそ3万円程度が毎年の医療費の目安です。
緑内障治療に用いられる点眼薬として選択されることの多い点眼薬の特徴と副作用や注意点をご紹介します。
・プロスタグランジン関連薬
【 特徴 】房水の排出を促し、眼圧を下げて緑内障の進行を抑える薬です。現在用いられている緑内障点眼薬の中では最も眼圧を下げる効果が高いとされる薬で、処方頻度が高く、全身の副作用が比較的少ないと言われています。
【 副作用・注意点 】点眼開始直後に、結膜充血やしみるなどの症状があらわれる可能性があります。
まつげが異常にのびる、まぶたが黒くなる、まぶたがくぼむなどの副作用が出ることがあります。
・β遮断薬
【 特徴 】房水の産生を抑制し、眼圧を下げて緑内障の進行を抑える薬です。1日1回朝に点眼するものと、持続型の1日1回のものがあります。
【 副作用・注意点 】点眼直後はかすむため、運転前には使用しないといった注意が必要となります。
充血やかゆみ、異物感などの症状、まれに気管支収縮作用や心血管系の副作用があらわれることがあります。
・EP2受容体作動薬
【 特徴 】房水の流出を促進することで、眼圧を下げて緑内障の進行を抑える薬です。
【 副作用・注意点 】点眼後、一時的に霧がかかったように見えることがあります。このような症状が見られた場合は、自動車の運転を控えるなど十分に注意が必要です。
副作用が比較的少ないですが、白内障手術後の人は病気を発症する可能性があるため使用できません。
緑内障の原因は明確に解明されていない状況ですが、遺伝的な要素が含まれるとされています。
そこで、血縁者(父母や祖父母)に緑内障にかかった人がいる人は注意が必要です。
また、糖尿病や強度近視、ステロイドホルモン剤の使用経験がある人、目に外傷を受けたことがある人も注意が必要です。
緑内障に対して確実に効果がある予防法は現状存在しません。
緑内障は視神経が障害されることで発症するとされていますが、その原因が明確でないのが理由です。
少しでも予防になることをしたい方は、普段から良質な睡眠の確保とバランスのとれた食事、適度な運動を行い、生活習慣を見直すこと。加えて、早期発見のために眼科の定期検診を受診するのをお勧めします。
アムスラーグリッドは、視野の異常をチェックするための方眼紙のようなシートを指します。インターネットからダウンロードすることも可能です。
周囲が明るい場所で、眼鏡やコンタクトレンズを装着した状態で行います。
グリッド(縦線横線の方眼紙)を見ながら片目を閉じ、もう片方の目で中央の点を見つめます。
中央の点を見つめたまま、グリッド全体が歪んで見えたり、欠けたりする部分がないかを確認してください。片眼が終了したもう片方の目も同様にチェックします。
明るい部屋で片目を閉じ、もう片方の目で部屋の周りを見回します。
見ている中に「見えにくい部分」や「暗く感じる部分」がないかを確認します。目を動かしながら、視野の全体を確認します。
病院において緑内障の診断のためには「眼圧検査」「眼底検査」「視野検査」の3つの検査が少なくとも必要となります。
眼の表面に測定器具を当てて眼圧を測定する方法と、眼の表面に空気を当てて眼圧を測定する方法があります。
眼圧は測る時間によって変化し、季節によっても変わります。また、年齢や性別、体位、血圧などの要素によっても変化するため、非常に個人差が大きいのが特徴です。
治療開始前に眼圧測定を複数回実施し基準となる眼圧を設定することが、治療後の眼圧がどのくらい下がったかという治療効果を評価するために重要です。
眼底検査は、視神経の状態や網膜の状態を診る検査です。
必要な場合は瞳を広げて、網膜の隅々まで検査を行います。
緑内障では、目と脳をつなぐ視神経が徐々に減ってしまうことで、目の奥にある視神経乳頭の中心部のへこみ(陥凹)が大きくなります。
この陥没を指摘されたら、自覚症状がなくても再検査を受け、緑内障かそうでないかを精密に調べることをおすすめします。
視野検査は、診断だけでなく経過観察目的でも用いられるとても大切な検査です。
目を動かさないで見える範囲を視野と呼び、正常の場合は片目で見ると、目を動かさずに見える範囲は上側60度、下側70度、外側100度、鼻側60度となります。
緑内障が進行すると、目を動かさないで見える範囲(視野)のなかに見えにくい部分が少しずつ広がってきます。しかし、見えにくい部分が大きくなるまで、本人は見えていないことを自覚できないことがほとんどです。
見えていない範囲(視野欠損)の大きさや場所を定期的に測定することで、緑内障の進行の程度を判定することができます。
受け付けています。
他の眼科にて緑内障であると診断されたが、果たして本当にそうなのか検査してほしいというお申し出や、緑内障でないと診断されたが、不安なため念のために別の病院でも検査をしてみようということで来院された方もいらっしゃいます。
ご不安な気持ちや治療方針についてしっかりとお伺いし、最も望ましい形で治療を進めていければと考えております。
緑内障は症状を軽微なまま維持することは可能ですが、一度失った視野について修復することはできません。
ですので、うまく疾患と付き合っていく必要があります。
症状の進行を遅らせるための、定期的な点眼薬の利用など医師の指示に従い実施していくことで、視野や視力を保っていただければと思います。