結膜とは?
結膜(けつまく)は、眼球の表面とまぶたの裏側を覆っている透明な薄い膜のことです。潤滑な状態を保ち、眼球を外部の刺激から保護する役割を担っています。
結膜炎とは?
結膜に炎症が起こり、結膜炎となります。炎症の原因は、細菌・ウィルス・アレルギーなどさまざまな原因によって起こります。
結膜炎の主な症状は?
主な症状は充血、目やに、かゆみ、異物感、涙が出る、まぶたの腫れです。発症原因により、症状も変わってきます。
結膜(けつまく)は、眼球の表面とまぶたの裏側を覆っている透明な薄い膜のことです。潤滑な状態を保ち、眼球を外部の刺激から保護する役割を担っています。
結膜に炎症が起こり、結膜炎となります。炎症の原因は、細菌・ウィルス・アレルギーなどさまざまな原因によって起こります。
主な症状は充血、目やに、かゆみ、異物感、涙が出る、まぶたの腫れです。発症原因により、症状も変わってきます。
原因が強い感染力を伴うものかどうかが、うつる結膜炎とうつらない結膜炎の違いです。
感染力が強いウイルスが原因となる結膜炎は、他の人に感染する可能性がありますが、アレルギーや刺激物などが原因となる結膜炎は、人に感染することはありません。
感染力が強いウイルスが原因です。特徴として以下が挙げられます。またそれぞれについて共通する特徴を見ましょう。
・目やにが多い
・充血が強い
・感染力が強い
・流行しやすい
アデノウイルス8型というウイルスが原因で起こる感染性の眼の病気です。感染力が非常に強く、学校や職場など集団で生活する場所で流行しやすいことが特徴です。
【 原因と感染経路 】アデノウイルスが眼に感染することで発症します。感染経路は感染した人の目や鼻に触れた手で、別の人の目を触ることで感染していきます。また、タオルや手すりやスマホなどを介して、間接的に感染することもあります。
【 症状と期間 】潜伏期間は5日〜14日、症状がおさまるのに2~3週間かかります。もし、角膜炎が起こった場合は、数ヵ月にわたってその症状が残ることがあります。
初期症状は「結膜(しろ目)の充血」、「まぶたの腫れ」、「大量の目やに」、「流涙(涙がたくさんこぼれる)」などの症状が現れます。
中期以降の症状として、角膜に白っぽい斑点ができたり、視力低下や光がまぶしく感じるなどが起こります。
【 特徴 】・感染力が高い:集団で生活する場所では一気に短期間に多くの患者が出ることがあります。
・両目に症状が出る:はじまりは片目ですが、その後もう一方の目にも症状が出ます。
・長引く場合がある:症状が数ヶ月続くこともあります。
・合併症:角膜(黒目)にキズがつき、視力に影響が出る場合があります。
【 治療 】特効薬はなく、対症療法になります。充血やウイルスの増殖を抑える点眼薬や解熱剤等の内服薬を処方されます。
アデノウイルス3型というウイルスが原因で起こる感染症です。高熱(39℃以上)が出ることが多く、のどの痛み(扁桃腺の腫れ)、リンパ節の腫れ等の症状が出ます。
主に夏場に流行するため「プール熱」と呼ばれることもありますが、プールだけでなく、様々な場所で感染します。
【 原因と感染経路 】アデノウイルスによる感染が原因で、飛沫感染、接触感染、プール感染が挙げられます。飛沫感染は咳やくしゃみでウイルスを含む飛沫を吸い込むことで起こります。接触感染はウイルスが付着した手で目や鼻を触ることで感染します。プール感染はウイルスが付着した水を飲み込んで感染します。
【 症状と期間 】潜伏期間は5日〜7日程度で、症状は約90%の割合で5日程度で軽快します。症状は高熱が特徴で咽頭痛も起こります。
【 特徴 】主にお風呂やプールなど、水を通して広まることが多く、夏場に保育園や幼稚園で流行しやすい特徴があります。大人より子どもの方がかかりやすく、合併症で中耳炎や副鼻腔炎を併発する場合があります。
【 治療 】特効薬がなく、対症療法になります。高熱が出ることが多いため、解熱剤が必ずといっていいほど処方されます。
クラミジア・トラコマチスという細菌によって引き起こされる眼の病気です。性行為感染症に関連することが多く、感染者の体液が目に触れることで発症します。流行性角結膜炎(はやり目)と似た症状があるため、眼科での鑑別が大切です。クラミジアに効果的な抗菌の点眼薬や眼軟膏、内服薬を医師の指示に従って使用しますが、完全に治るのには2~3か月かかることもあります。
【 原因と感染経路 】クラミジア・トラコマチスという細菌が目に感染することで起こる病気です。感染経路は感染者との性行為、感染した母親からの新生児感染、感染者の目や鼻を触ったことによる接触感染があります。
【 症状と期間 】潜伏期間が数日から数週間と幅が広いため、発見が遅れます。治療を行わないと慢性化する可能性があり、完全に治癒するまでに数週間から数か月かかることがあります。
症状の特徴としては、粘り気のある膿んだ黄色い目やにが出ます。まぶたの裏側に小さな粒のようなものができます。
【 特徴 】慢性化しやすく、治療を怠ると再発を繰り返すと言われています。また、重篤な合併症を起こす可能性があります。
【 治療 】抗生物質による点眼薬や内服薬が処方されます。性行為による感染の場合はパートナーと検査と治療を行っていく必要があります。放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早めに眼科の受診をして、診断を確定させましょう。
アレルギー反応や刺激物などが原因で起こります。その人のアレルギー反応を示す何かがあるわけです。
そのため、人には感染しませんがその人自身は何度も繰り返しやすく、季節性のものであれば、その季節になれば発症することになります。
・かゆみが強い
・目やにが水っぽい
・充血は比較的弱い
・涙が出やすい
・感染しない
・繰り返しやすい
・季節性
白目の表面とまぶたの裏を覆う薄い膜である結膜に細菌が感染して引き起こされる病気です。
【 原因と感染経路 】原因となる細菌は、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、クラミジア菌、カンピロバクター菌などが挙げられます。
【 症状と期間 】多くの場合、点眼治療によって症状が治まり、3日~1週間程度で良くなります。
主な症状は、目の充血、かゆみ、涙目、目やにの発生などです。また、重症化すると角膜炎や網膜炎などの合併症を引き起こすことがあります。
【 特徴 】一般的には比較的軽症で自然治癒することが多い病気ですが、合併症を引き起こすことがあるため注意が必要です。特に、幼児や高齢者、免疫力の低下した人などは、早期の診断と適切な治療が必要となります。
【 治療 】感染した細菌の種類によって薬剤が異なります。抗菌点眼薬による治療が基本となり、抗菌眼軟膏や抗菌内服薬が処方されます。
花粉、ハウスダスト、ペットの毛、化粧品など、特定の物質(アレルゲン)に対してアレルギー反応を起こすことで発症します。
【 原因と感染経路 】人によってアレルゲンが異なり、個人の体質とアレルゲンの接触によって起こります。
【 症状と期間 】数日間症状が続くことがあります。アレルゲンとの接触時間や量によって異なりますので、何に対して反応しているのかを把握することが大切になります。
【 特徴 】かゆみが強いのが特徴です。特定物質に対して症状が現れます。季節性もあり、花粉症の時期になるなど、原因物質の季節によります。ただし、アレルゲンを完全に避けることは難しいため、症状が繰り返されます。
【 治療 】眼科では抗アレルギー点眼薬や抗ヒスタミン点眼薬が処方されます。コンタクトレンズが症状を悪化させる場合もあるため、一時的に使用を中止することも検討してみてください。
結膜炎はさまざまな原因や種類があることが分かったと思います。感染した場合は他人に移してしまう場合もあるため、しっかりと対策を行っていきましょう。もしご自身が感染した場合は集団感染の原因にもなりかねないので、自宅で療養するようにしてください。
感染予防対策で最も効果が高い1つが、こまめな手洗いです。定期的に流水で手を洗いましょう。特に、外出後や食事の前には必ず手を洗うことです。もし、無意識で目や鼻の近くを触っていても清潔な手であれば、問題ありません。石鹸を使って流水でよく洗い、指の間や爪の間も丁寧に洗いましょう。
顔に手を近づけるタイミングが日常生活であるかと思います。そんなときの前こそ、手で顔を触る前に必ず手を洗う習慣をつけましょう。
眠いタイミング等で目をこすったり、触ったりする癖がある人は、意識してやめるようにしましょう。目にウイルスが近づく機会を減らすことができれば感染を防ぐことができます。
意外と多いのですが、家族間でのタオルの共有があげられます。
タオルは個人用に分けて使用しましょう。特に、感染している人がいる場合は、他の家族とのタオルの使い分けは厳守しましょう。使用後の処理の仕方や洗うタイミングも気をつけるようにしましょう。
コンタクトレンズを使用している人は、レンズの洗浄や消毒を徹底し、清潔な状態を保つようにしていきましょう。1DAYタイプであれば、そこまで気をつける必要がありませんが、繰り返し使用するタイプは注意が必要です。
感染している場合は、症状が悪化することもあるため、コンタクトレンズの使用を控え、眼鏡を使用しましょう。
ジム、プール等の多くの人が利用する施設では、目をこすったり、顔を洗う際に注意しましょう。
バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、健康的な生活を送ることで、免疫力を高めましょう。
たしかに自然治癒するタイプの結膜炎もあります。特に多くの方が経験しておられる、はやり目、プール熱は特効薬もないため、対症療法となるため、ある意味自然治癒に近いかもしれません。
一方で他の結膜炎を見ると、再発を繰り返すタイプのもの、合併症が起こり得る結膜炎もありました。安易に自己判断せず、専門家である眼科医に診療をしてもらうことで安心することができます。
比較的短期間で治癒します。アデノウイルスなどが原因の場合、通常1~2週間程度で症状が軽快していきます。
自然に治癒を待つことが一般的です。
治療が必要です。自然治癒を待つと、症状が長引き、治癒したと思っても再発するなどします。また、他の部位に感染が広がったりする可能性があります。
体質的な問題がある場合は、季節性など繰り返し症状が出る可能性があり、完全に自然治癒することは難しい可能性が高いです。アレルゲンとなる物質をできるだけ避けましょう。
さまざまな症状がありますが、気になったら専門の眼科医の診療を受けましょう。自己判断で長引くことを防ぎましょう。ポイントは以下が挙げられます。
・症状が数日立っても改善しない、または悪化している。
・視界がぼやけるなどの視界に関する症状が出ている
・まぶたが腫れて開けづらい
結膜炎は種類がさまざまあるため、後遺症や合併症は異なります。一般的にアレルギー性や細菌性の結膜炎は後遺症は残りづらいといわれています。
ウイルス性の結膜炎の場合は発病中や症状が軽減したあとに角膜が濁ることがあります。これを角膜混濁といいます。角膜は黒目の部分で、黒目が白く濁り視力低下をすることがあります。治療はステロイドの点眼薬を使用し、数か月から1年以上かかる場合があります。
角膜混濁の治療は継続が必要で、放置すると濁りが残ることが多いです。瞳の中心に濁りが残ると、「見づらさ」「光が反射して見える」など視力に影響を及ぼすことがあります。完治するまで期間がかかりますが、完治する病気ですので、医師の指示に従い治療を継続してください。
当クリニックは結膜炎、白内障、緑内障、糖尿病の眼の合併症、麦粒腫・霰粒腫、網膜疾患などの治療をしており、手術においても白内障手術、硝子体手術、まぶた手術、硝子体内注射、レーザー治療を行っています。
大阪市立大学時代には、さまざまな症例の手術をしてきました。医院の開院後は地域に根ざした病院として、丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。地域の皆様のかかりつけ医としてぜひ当院にご相談ください。